小さな朗読室
▶再生を押してお聴きください。
*イヤホンでの視聴がより聴こえやすいかと思います。
1 / 高架下にまぶしい
『small tune, little view』収録、再生時間:約4分
ねむいままバスを降りれば包まれるサービスエリアの光のにおい
珈琲をおとすみたいに話すひと カップが満ちるまで待ってます
悩みきったはずなんだけど旅先で出会って色違いを買っちゃった
黒猫の路地の抜け方かっこいい あとにつづいてみる昼下がり
建つ前の景色を知っているひとが見てるビルよりそのずっと向こう
川の反射が壁にきれいで伝えたらスマホを出して残してくれた
随分になるね 不安なとき握るキーマスコット手に小さくて
波音がふくらんできて高架下にまぶしい 深呼吸ひとつふたつ
連れていった場所を順番に思い出す 海辺にあればいいなと思う
2 / 駅までをねむる
『Thank you for praying』収録、再生時間:約4分30秒
ホワイトボードひっくりかえしてまぶしいな浜の名前を決める会議で
息抜きのコンビニで見た先輩の「ゼクシィ重っ」て顔、いいすね
残業をやっつけてきた僕はもうホットミルクの膜も押せない
推しキャラを引く推しの生配信を見守ってたら朝になってた
寝不足のまぶたのように張り付いた落ち葉の道をびたびた歩く
お目当てはなかったけれど古書店を出たとき吹いたやわらかい風
挟んでたことを忘れていた栞みたいに街できみを見かける
さくっとメシどうすか、で行ったラーメン屋の煮たまごのねむたい食べ心地
ゆうやけを耳で受けとる駅までをねむったバスの後部座席で
3 / 遠く歩いていくための
再生時間:約2分50秒
独立した言語のようなくちづけを 植物園のガラスドームで
隠された通路を長く抜けた先 木洩れ日をあなたがまぶしがる
町から見える夕日を一度だけ花の言葉で教えてくれた風の日
耳元をかすめるひかり 目をひらく これをわたしは夢と呼ぶのね
霧雨が風にさざめくこれからを遠く歩いていくための夢